気ままにぶらっと城跡への第23回目は、京都の大山崎へ行ってきました。
天下分け目の戦いで有名な天王山山頂にある山崎城です。
途中、宝積寺や旗立松、酒解(さかとけ)神社、十七烈士の墓などに寄りながら、約60分で山頂にある山崎城跡に到着。
別称は天王山城、天王山宝寺城、宝寺城、山崎宝寺城です。
2023年3月28日に攻城してきました。
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飯盛山城址や芥川城址を攻城した同窓生二人と一緒に、今回は、羽柴秀吉が明智光秀と戦った山崎の戦いの時、陣を構えた天王山に行きました。
天王山は標高270m。
それほど高い山ではありませんが、摂津国と山城国を分ける要衝の地です。
天王山展望台からは、眼下に桂川、宇治川、木津川の3つの川が合流する姿が見られます。
向かい側にある岩清水八幡宮までは、大変狭い場所です。
大山崎の周辺は京都の出入り口にあたり、京都・大坂・丹波路の分岐点。
南北朝の戦いや応仁・文明の乱の時などにはしばしば戦場となった場所でもありますね。
そのさいに、天王山の山頂に陣城が築かれることがあったようです。
聖武天皇の勅願によってですね。
龍神が伝えたという「打出の小槌」が寺の宝だそうで、別名は「宝寺」です。
打出の小槌といえば、一寸法師のお話に出てくるもの。
一寸法師が退治した鬼が置いていった打出の小槌をお姫様に振ってもらい、立派な若者となって姫様と結婚したことで有名なものですね。
まさか、その小槌ではないとは思いますが。
木の根元に置かれている2体の可愛いお地蔵様。
お祈りしていますね。いや、それより後ろのドラ〇もんが気になるわ。
天正10年(1582)6月13日、山崎の戦いで、羽柴軍が士気を高めるために千成瓢箪の大きな旗を、ここにあった松の木の上に掲げました。
それによって戦局に変化が起こり、羽柴軍の勝利となったといわれています。
それ以来、だれが言うともなく「旗立松」と呼ばれるようになったそうです。
現在の松は五代目と書かれていました。
設置されている説明板によると、山崎の合戦で勝利した秀吉は、天正10年(1582)6月に、天王山山頂に山崎城を築いたそうです。
私は初め、それを単なる陣城か出城レベルの城郭だと思っていました。
しかし山頂の城跡に行き、山頂付近を探索したうえで上の概要図などを見ると、天守を備え、土塁のあるいくつかの曲輪が設けられた結構大きな城郭であったことがわかります。
天王山の山頂付近は、地名の字が「古城」ということなので、後世の人も天王山山頂は城跡だったと認識していたのでしょう。
秀吉は城を築くとともに、麓の大山崎を城下町として保護します。
明智光秀を破った秀吉は、織田信長の後継者を自認し、大山崎で千利休らと茶会を開いたようです。
JR山崎駅の前に妙喜庵という寺があり、そこに利休が建てた茶室・待庵(たいあん)があります。
日本最古の茶室建造物であり、千利休が建造したと信じうる唯一現存している茶室で、国宝です。
秀吉は、その茶室にたびたび訪れたそうですよ。
大坂城の築城が本格化すると、天正12年4月に山崎城は破却されます。
この時、山崎城の「天主」も取り壊されたというので、「高層建築物」が建てられていたことがわかると説明板には書かれていました。
おそらく二重か三重の櫓のような建物ではなかったでしょうか。
現在も城跡には、天守台・土塁・空堀・井戸・食い違い虎口・石垣などが残っています。
ハイキングコースの途中には、陶板の説明板などが多数設置されています。
立ち止まって、ゆっくり読んでいくと天王山の歴史が分かりますよ。
大変ありがたいことです。
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山崎城址を探訪したあと小倉神社を経由して、秀吉軍との戦いで敗れた明智光秀が一時的に逃げ込んだ、勝龍寺城を目指しました。
長岡京にある勝龍寺城は、豊臣秀吉と明智光秀の山崎の戦いの戦場近くにあります。
明智軍が陣を置いた城ですね。
細川藤孝(ふじたか 後の幽斎)が築城しました。
藤孝の息子・忠興の妻となった細川玉お輿入れの城、明智光秀最後の城として有名になった城です。
玉は明智光秀の三女で、16歳の時に細川忠興の妻となり、勝竜寺城で3年間暮ら
しました。
この3年間が玉にとっては、唯一の幸せな時間だったでしょう。
明智光秀が本能寺の変で織田信長を殺したため、主君殺し、謀反人の娘として丹
後に幽閉されます。
後に秀吉によって忠興との復縁がゆるされますが、あまり幸せではなかったよ
うです。
勝龍寺城は、展示内容も充実した良い城址ですよ、ぜひ訪問してみてください。
勝竜寺城を探訪した後、JR長岡京駅から大阪駅に戻り、新梅田食堂街のいつも
の居酒屋で「反省しない反省会」を楽しく行いました。
(写真は筆者撮影)
*山崎城詳細
・アクセス:JR京都線・山崎駅から天王山山頂まで徒歩約60分
・営業時間:24時間
・休業日:年中無休
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