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別称は鶴山(かくざん)城。
2006年「日本100名城」(第67番)に選定、さらに日本さくら名所100選にも選ばれています。
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では、歴史から。
嘉吉元年(1441)に、山名忠政(ただまさ)が鶴山山頂に鶴山城を築きます。
本能寺の変で織田信長とともに亡くなった森蘭丸の弟・森忠政は、関ヶ原の戦いの後、戦功により信濃川中島から18万石で入城。
慶長9年から城の大改修に取り掛かります。
そのさい、鶴山を津山と改めました。
13年後の元和2年(1616)にようやく完成しています。
しかし、4代目藩主の長成(ながなり)の死後、森家は改易となってしまいます。
その後元禄11年(1698)に、親藩の伊予松山藩主・松平長矩(ながのり・宣富(のぶとみ)とも言う)が10万石で入城、松平氏の居城となり明治を迎えます。
中国地方中央部の要所を扼する津山城は、名城を築いた織田・豊臣系大名によくあるパターンで、築城後やがて親藩の大名に乗っ取られてしいました。
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津山城に登城したのは、2001年10月4日です。
津山城は建物遺構は残ってはいませんでしたし、中国地方の山間部の小都市にあるためかそれほど有名ではありません。
しかし、高低・長短とりどりに幾重にも重なる美しく壮大な石垣と、複雑に構成された曲輪は、日本の城郭を代表する名城の一つと言ってよいと思います。
津山城址は、熊本城や大阪城と並んで城郭史上最高の石垣で、特筆される城郭技術の城址として国の史跡に指定されています。
津山城は、吉井川と宮川の合流部にある小高い丘陵全体を削り取って主要部を作っていました。
上のパンフレットの図では少し分かりにくいですが、城域の東側に宮川が流れ、崖となっています。
本丸の最上部(鶴山の山頂)に天守曲輪を置き、中段に二の丸、下段に三の丸を置き、雛壇のように三段で構成しています。
これは「一二三(ひふみ)段」と呼ばれる縄張りです。
三の丸のさらに下段となる山麓外周は、外側に水濠を持つ惣曲輪が巡っていました。
これらの曲輪群はすべて石垣が築かれています。
縄張りに関しては半月型の輪郭式と記述している本もありますが、ほぼ梯郭式と言えると思います。
四重目と五重目は同一平面、五階には内部望楼として廻縁が内部にめぐらされた、飾り破風のないスマートな外観の層塔型天守だったようです。
天守台は本丸と独立して築かれていて、天守台の階段を上がり、桝形を通って天守地階に入ります。
昭和11年(1936)に天守台上に模擬天守が築かれましたが、のちに破却されたらしいです。
残念無念……。
本丸以下には櫓を50基余り建て並べ、津山盆地のどこからでも城が眺められたと伝わっています。
本丸に至る城内道はいくつもの桝形を組み合わせ迷路のように複雑で、防御力がとても強い要害堅固な大城郭です。
備中櫓は本丸南側の突出した石垣上に、築城400年記念行事の一環として平成17年(2005)に再建されました。
中央の一部が二階建てという大変珍しい櫓で、50を超える津山城の櫓の中でも最大級の規模を誇っていました。
平成18年には天守台南側に太鼓塀が復元されています。
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津山城を建てた森氏のあとに城主となった松平氏は、教学の振興に努めました。
宇田川玄随(げんずい)や箕作阮甫(みつくりげんぼ)など、幕末から明治にかけて活躍した洋学者を輩出しています。
津山洋学資料館でその功績を見ることができますよ。
また「西の小京都」と呼ばれた津山には、格子造りや白壁の土蔵造りの家々が残り、城下町の風情が色濃く残っています。
鶴山公園の近くにあるのは、二代目藩主・森長継(ながつぐ)が築いた池泉回遊式の名園衆楽園(しゅうらくえん)です。
津山城址の前に津山郷土博物館があり、津山城模型や藩関係の資料などが展示されています。
宿泊して、ゆっくり城下町と津山城を楽しみたいものですね。
津山城跡は1900年に津山市の所有となり、鶴山公園として整備され、桜が植樹されました。
中国地方きっての桜の名所として有名で、岡山県内で唯一日本さくら名所100選に選定されています。
約1,000本の桜は4月上旬から中旬が見頃ですよ。
津山城のアピール動画を発見しましたので、ここに載せておきます。
再現CGつきでとってもわかりやすいですよ。よろしかったら、ご覧ください。
*津山城詳細
・アクセス:JR津山駅から徒歩で10分
・営業時間:10月1日~3月31日 8:40~17:00
4月1日~4月15日 7:30~22:00
4月16日~9月30日 8:40~19:00
・休業日:12月29~31日
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【参考文献】
平井 聖監『城 6 中国 甍きらめく西国の城塞』(毎日新聞社 平成8年11月25日発行)、日本城郭協会監修『日本100名城公式ガイドブック』(学習研究社 2007年7月3日第1刷発行)、中井均監修『超雑学 読んだら話したくなる日本の城』(日本実業出版社 2010年6月20日初版発行)、中山良昭編著『もう一度学びたい日本の城』(西東社 2007年7月15日発行)、南條範夫監修『日本の城 名城探訪ガイド』(日本通信教育連盟)、『城と城下町 西の旅』(日本通信教育連盟)、『城 其ノ三』及び『城 解説編』(日本通信教育連盟)他
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