日本のお城が大好きだと叫びたい人の雑記

とにかくお城が好き!日本のお城のアレコレを好き勝手に書きます。※当ブログはアフィリエイト活動を行っています。

お城大好き雑記 第129回 関宿城

関宿城     by:photo-ac

第129回目は、千葉県の北の外れ、埼玉県と茨城県に挟まれた所にある関宿城(せきやどじょう)です。

一般的にはあまり知られていない城かもしれませんね。

関宿城は「日本100名城」、「続日本100名城」にも選定されていない城郭で、千葉県立関宿城博物館が模擬天守として建造したものです。

北は利根川、西は江戸川に接する千葉県の北端にある関宿城

船運の重要拠点にあり、江戸の喉元を押さえる要の城ですよ。

川や沼、深田に囲まれた中世の城郭が、石垣も築かれることもなく近世まで続いた城郭で大変珍しいと思います。

関宿城へは、1999年11月19日に登城しました。

 

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千葉県立関宿城博物館   by:photo-ac

関宿城は、古河公方(こがくぼう)足利成氏(あしかがしげうじ)の重臣簗田成助(やなだなりすけ)が、長禄元年(1457)に江戸川東岸の微高地に築城したといわれています。

天正2年(1574)に北条氏政の攻撃を受け、開城となりました。

小田原城の北条氏が滅びたあと、関東に入った徳川家康は、北の佐竹氏や伊達氏に備え、異父弟松平康元(やすもと)を入城させます。

そこで、関宿藩が成立しました。

その後、何代か城主は交替していますが、明暦2年(1656)に板倉重宗が5万石で入封します。

板倉重常(しげつね)は、関宿城の背後に逆川(さかさがわ)を掘削して利根川と江戸川を結び、交通の要衝で水運の中心地として関宿城下町を繁栄に導きます。

江戸の水防の要衝、軍事的にも重要な関宿の重要性を考え、幕府は川関所を設置しました。

当初は家門、後には譜代大名を配し、関宿藩に川関所の管理を命じています。

歴代城主22人のうち、老中が4人、京都所司代が3人と幕閣の中枢を担う城主が多い城ですよ。

寛文9年(1669)に久世広之が入封しますが、一度備中国庭瀬に転封。

その後、再び宝永2年(1705)に5万石で久世氏が再入封しました。

そして久世氏8代で明治維新を迎えます。

 

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菜の花と桜と関宿城天守    by:photo-ac

明治になると船運に代わり陸上の鉄道が発達、城と城下町はその重要性を失っていきます。

また、たびたびの洪水と明治末の河川改修工事で、関宿城跡の本丸の大部分と大手門を含む外郭の西側部分は江戸川の堤防や河川敷となり、その他の部分は水田などになってしまいました。

現在は、静かな田園風景を楽しめますよ。

利根川と江戸川の分岐する地点の堤防の上の本丸跡が小公園風になり、関宿城址碑が建てられています。

これは関宿城博物館から500mほど南に下がったところにありますので、探してみてくださいね。

新御殿は実相寺客殿、藥井門は逆井城(さかさいじょう 茨城県猿島町)へ移築されています。

関宿城址碑    by:photo-ac

下総国世喜宿城絵図」(「正保城絵図)(『城 2 関東』より)

関宿城利根川沿いの地に方形の本丸を置き、東方に二の丸、三の丸、発端曲輪からなる縄張りです。

曲輪は利根川逆川、江戸川で守られ、全面に深い水濠が廻らされています。

本丸には、江戸城の富士見櫓を模した三重櫓が、3mの石垣の上に建てられていました。

櫓はこれ一基だけだったようです。

関宿城は、土と水の城だったといえますね。

武家屋敷は壮大な外郭土手に囲まれたなかにあり、約700戸の藩士が居住していました。

土手の上にある関宿城    by:photo-ac

利根川関宿城と富士山    by:photo-ac

夕焼けに染まる関宿城と富士山    by:photo-ac

三重三階建ての模擬天守

夕焼け空と富士山。

この浮世絵のような景色を見るためだけでも、もう一度再訪してみたいですね。

話は変りますが、千葉県のかたがたは博物館を天守建築物として建造することが好きなようですね。

この関宿城のほか、千葉県内には大多喜城(県立総南博物館)、館山城(館山市立博物館分館)、千葉城千葉市立郷土博物館)が博物館として建造されています。

大多喜城(県立総南博物館)    by:photo-ac

千葉城千葉市立郷土博物館) by:photo-ac

 

関宿城詳細

・住所:千葉県野田市関宿三軒家

・アクセス:東武鉄道東武野田線・川間駅から朝日バス(境朝日車庫行き)で35分

・営業時間:博物館は9:00~16:30

・休業日:博物館は月曜日(祝日・振替休日の場合は翌日、4月29日~5月6日は開館) / 10月1~3日 / 年末(12月28日~31日)

 

【参考文献】
平井 聖監修『城 2 関東 もののふ集う東国の城』(毎日新聞社 平成9年2月25日発行)、西ヶ谷恭弘編『国別 城郭・陣屋・要害・台場事典』(東京堂出版 2002年7月15日初版発行)他

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