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お城には、桜がよく似合いますよね。
日本人の多くは、お城と桜のセットが好きだろうと思いますが、城郭に桜が植えられたのはそんなに昔のことではありません。
戦国時代はもちろんのこと、太平の世となった江戸時代においても城内に桜が植えられることは殆どなかったはずです。
もし何かの木を植えるとすれば食用とか薬用に役立つものを植えたでしょう。
ではなぜ今日、城跡と言えば真っ先に桜を思い浮かべるほど、城跡に桜の木が植えられたのでしょうか?
それは、城跡の管理の問題からだといわれています。
明治になって城が廃城になったとき、城址の管理が問題となりました。
城址の土塁や石垣などが大雨などで崩れるのをどう防ぐのかという問題、また払い下げられた城址の多くが公園になったため、どういう公園にするかという問題に、江戸時代から庶民の人気となった花見の場の提供と、手入れが簡単な桜が植えられたのだと思っています。
幕末になり、品種改良された染井吉野が爆発的に流行したことも関係しているのかもしれません。
日本さくら名所100選には、北海道の松前城から沖縄の名護グスクまで24の城址が選ばれています。
そして、日経新聞社の「桜が似合うおすすめの城 ベスト10」では、第1位が弘前城だとのことです。
ですよね!(*‘∀‘)
赤い欄干のある下乗橋から真正面に小ぶりの三重天守と桜の景色、濠に枝垂れかかる桜がライトアップされた景色などは何とも言えない美しいものです。
以下の順序は、
・2位兵庫県姫路城
・3位長野県高遠城
・7位大分県岡城
・8位北海道五稜郭
・9位大阪城
・10位新潟県高田城
でした。
皆さんにも、桜が似合う自分の好きな城があると思います。
私は昔、退職したら、1月下旬に行われる沖縄の今帰仁(なきじん)グスクの桜祭りを楽しみ、桜前線と一緒に北上しつつ花と城と温泉と鉄道を楽しみ、5月上旬の北海道五稜郭の桜祭りで締める旅をしたいと思っていました。
しかし58歳で選択定年退職し再就職もしない身でしたから、経済的な理由でその夢を叶えることは出来ませんでした。
時間はたっぷりあるのですけれどもねえ……。
残念です(/ω\)←いやもう一回働けよ遠慮せんと
はい、では次からは私が選んだ「桜の似合う城」を紹介していきます。
南の端・沖縄から桜前線と同じように北上していきますね。
参考までに桜の見頃時期も記しておきます。
今年(2021年)もコロナ禍で昨年同様に桜祭りの多くが中止になると思いますので、もしお出かけの時は先にご確認下さい。
桜祭りには行けないかもしれませんが、せめて写真の中だけでも楽しみましょう。
- 1、沖縄県今帰仁グスク(日本100名城 第98番)
- 2、大分県岡城(日本100名城 第95番)さくら名所100選
- 3、岡山県津山城(日本100名城 第67番)さくら名所100選
- 4、兵庫県姫路城(日本100名城 第59番) さくら名所100選
- 5、大阪府大阪城(日本100名城 第54番)さくら名所100選
- 6、奈良県大和郡山城(続日本100名城 第165番)さくら名所100選
- 7、滋賀県彦根城(日本100名城 第50番)
- 8、静岡県浜松城(続日本100名城 第148番)
- 9、石川県金沢城(日本100名城 第35番)
- 10、神奈川県小田原城(日本100名城 第23番)さくら名所100選
- 11、福島県白河小峰城(日本100名城 第13番)
- 12、長野県高遠城 (日本100名城 第30番)さくら名所100選
- 13、新潟県高田城(続日本100名城 第132番)さくら名所100選
- 14、福島県会津若松城(日本100名城 第12番)さくら名所100選
- 15、青森県弘前城(日本100名城 第4番) さくら名所100選
- 16、北海道松前城(日本100名城 第3番)さくら名所100選
- 17、北海道五稜郭(日本100名城 第2番)
- *こちらもどうぞ
1、沖縄県今帰仁グスク(日本100名城 第98番)
1月下旬から2月上旬
今帰仁グスクは沖縄本島の本部(もとぶ)半島北東にあり、12~13世紀に築城されたそうです。
三山時代には北山王朝の都城として繁栄していましたが、1416年中山王朝の尚氏に滅ぼされます。
平成12年(2000)に、首里城などとともに世界文化遺産に登録されました。
日本で一番早い桜まつりが行われる今帰仁グスク。
寒緋桜は濃いピンク色をして鐘状の花が下向きに咲きます。
染井吉野などのような派手さはありませんが好きな花です。
沖縄の花見は、本土のように桜の下で宴会などはしません。
車や歩いてさっと見ていくだけです。
2、大分県岡城(日本100名城 第95番)さくら名所100選
4月上旬
標高325mの天神山に築かれた山城。
建物などは何も残ってはおりませんが、みごとな高石垣の城址で必見の城郭です。
地元出身の作曲家滝廉太郎(二の丸に像が建立されています)の「荒城の月」はこの岡城がイメージになっていると言われています。
3、岡山県津山城(日本100名城 第67番)さくら名所100選
3月下旬から4月中旬
関ヶ原の戦いの戦功により入った森忠政(ただまさ)が13年かけて完成させた城。
比高50mの鶴山に、総石垣で雛壇のように3段もしくは4段重ねに曲輪を築いた平山城です。
平成17年に築城400年を記念して備中櫓が再建されました。
津山城鶴山(かくざん)公園で「津山さくらまつり」が行われます。
4、兵庫県姫路城(日本100名城 第59番) さくら名所100選
4月上旬から中旬
姫路城は言わずと知れた、世界文化遺産で国宝、日本を代表する白亜の大城郭です。
約1,000本の染井吉野が植えられ、三の丸広場の桜並木や西の丸庭園の枝垂桜なども必見です。
5、大阪府大阪城(日本100名城 第54番)さくら名所100選
3月下旬から4月中旬
豊臣秀吉の大坂城が大坂夏の陣で焼失、その縄張りの上に盛り土をし、石垣を築き直して、秀吉の大坂城を上回る徳川の大坂城が出来上がりました。
現在の天守は、昭和6年(1931)大阪人によって秀吉の天守を真似て建てられたものです。
2月には梅林に梅の花が咲き誇り、つづいて西の丸庭園を中心に約300本の桜が大阪人を喜ばせます。
「観桜ナイター」などが開催されます。
6、奈良県大和郡山城(続日本100名城 第165番)さくら名所100選
3月下旬から4月中旬
豊臣秀吉の弟・秀長が100万石で入封して、石高に相応しい大規模な城郭に整備しました。
城主としては江戸時代後半に入封した柳沢吉保が有名ですね。
本丸跡には吉保を祀る柳沢神社があり、昭和になって追手門、追手向櫓が復元されています。
墓石などの転用石で築かれた石垣も有名です。
約800本の桜が濠を囲むように植えられ、天守台展望施設からは城址の桜を一望出来ます。
夜になると約600本のぼんぼりの灯りに照らされた夜桜が楽しめますよ。
7、滋賀県彦根城(日本100名城 第50番)
3月下旬から4月中旬
国宝の彦根城。
濠沿いを中心に約1,100本もの桜が植えられています。
すごい数ですよね。
濠の水面や櫓の白壁に映える桜が目を見張る美しさをみせています。
内濠に枝垂れかかる桜はみごとなもの。
彦根城桜まつりに合わせてライトアップされた桜も幻想的で美しいですよ。
8、静岡県浜松城(続日本100名城 第148番)
3月下旬~4月上旬
家康が駿河・遠江支配の拠点の城として城の大改修を施した浜松城。
幕末まで譜代の大名が次々に入れ替わり、歴代城主は老中や大坂城代、京都所司代など幕府の要職につく者が多かったため「神君ゆかりの出世城」の異名で有名な城です。
浜松城を取り囲むように公園内が染井吉野を中心に枝垂桜、山桜など約360本の桜で彩られ、浜松随一の桜の名所です。
さくらまつりの期間中は約600個のぼんぼりが点けられています。
9、石川県金沢城(日本100名城 第35番)
4月上旬から4月中旬
加賀100万石の本拠城である金沢城。
佐久間盛政が一向宗の金沢御堂を城郭として改修した後、前田利家が入り100万石の大名に相応しい居城として面目を一新します。
近年、菱櫓や五十間長屋などが復元され、石川門だけでなく見どころ満載の城址となっています。
金沢公園の約400本の桜は石川県第2位の人気の高い花見スポットです。
10、神奈川県小田原城(日本100名城 第23番)さくら名所100選
3月中旬から4月上旬
北条早雲が大森氏の小田原城を大規模に改修、巨大な城郭を作りましたが、豊臣秀吉によって落城。
相模湾を望み、聳え立つ三重四階の現在の天守は昭和35年(1960)に江戸時代の旧態通りに外観復元されました。
桜まつり期間中はぼんぼりに灯が点され、本丸広場の桜には様々な光の色が作れるLEDライトを使い、時間帯によって色彩が変化する演出が施されています。
11、福島県白河小峰城(日本100名城 第13番)
4月中旬から下旬
寛永4年(1627)棚倉から移封された名築城家の丹羽長重が幕命により大改修をしました白河小峰城。
戊辰戦争で建物は焼失しましたが、平成3年(1991)に三重櫓、3年後に前御門が忠実に復元されています。
白河小峰城さくらまつりや川越藩火縄銃鉄砲隊甲冑武者行列及び姫行列も例年は行われています。
12、長野県高遠城 (日本100名城 第30番)さくら名所100選
4月上旬から下旬
天守などの城郭らしい遺構はなにも残ってはいませんが、天下第一の桜が咲き誇る高遠城址公園。
城内を埋め尽くした高遠コヒガン桜がシャワーのように咲き乱れる春先には、大変多くの観光客で溢れます。
特に二の丸跡から本丸への桜雲橋のこの景色は有名ですね。
13、新潟県高田城(続日本100名城 第132番)さくら名所100選
4月上旬から中旬
榊原氏15万石の高田城で、築城当時の土塁と濠が残り、平成5年(1993)に三重櫓が復興されています。
約3,000個のぼんぼりに点らされた約4,000本の咲き誇る桜に加え、ライトアップされた三重櫓が優美で幻想的な雰囲気を醸し出しています。
14、福島県会津若松城(日本100名城 第12番)さくら名所100選
4月中旬から下旬
天正18年(1590)に入封した蒲生氏郷が、92万石の大名に相応しい近世城郭に大改修した会津若松城。
のちに加藤氏が五重五階層塔型天守に改築、戊辰戦争で取り壊されています。
現在の天守は昭和40年(1965)に復元されたもの。
鶴ヶ城公園には染井吉野や八重桜、枝垂桜など約1,000本の桜が、次々に美しい花をさかせます。
赤い瓦の天守と見事に咲き誇った桜の調和が美しいですよね。
ライトアップされた夜桜も楽しめます。
15、青森県弘前城(日本100名城 第4番) さくら名所100選
4月下旬から5月上旬
トップ写真に天守と桜の弘前城を選んだので、こちらではかの有名な「花筏」を。
弘前城は、津軽為信が関ヶ原の戦いの軍功で津軽47,000石を安堵され、新たに築いた城ですね。
東北の諸大名を牽制する壮大な規模の城郭として完成しますが、五重の天守は間もなく落雷で焼失。
隅櫓を改築して天守としています。
三重三階の現存天守と桜は何とも言えない美しさ。
弘前公園には枝垂桜や八重桜など52種約2,600本の桜が咲き誇り、「花筏(はないかだ)」と言われる内濠を埋め尽くしたピンクのはなびら、そしてライトアップされた夜桜と天守の姿は圧巻です。
さくらまつりは、毎年200万人の人々がお花見を楽しむ、日本一の桜祭りですよ。
16、北海道松前城(日本100名城 第3番)さくら名所100選
4月下旬から5月下旬
北辺警備を幕府に命じられた松前崇広が、外国艦船による海上からの攻撃を想定して嘉永2年(1849)に築いた松前城です。
しかし、戊辰戦争で榎本武揚率いる旧幕府軍に陸上から攻撃され落城します。
昭和24年(1949)に天守(三重櫓)が再建されました。
松前公園などに植えられている約250種1万本の桜は、早咲き、中咲き、遅咲きと約1か月にわたって花見を楽しむことが出来ます。
17、北海道五稜郭(日本100名城 第2番)
4月下旬から5月上旬
安政5年(1857)に、江戸幕府が函館港の防御のために築城した稜堡式城塞です。
榎本武揚が五稜郭を占領、明治2年(1869)函館戦争により無血開城されました。
現在は桜の美しい五稜郭公園となり、例年は5月のゴールデンウーク前後に、園内の染井吉野が見頃となり、桜祭りを楽しむ人々で賑わいます。
いかがでしたでしょうか!
いずれも本当に美しい光景でしたね。
もう少し暖かくなったら、ぜひ近くの城址へ行って華憐で素敵な桜の花と日本の城を楽しんでください。
*こちらもどうぞ
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【参考文献】
公益財団法人 日本城郭協会監修『日本100名城公式ガイドブック』(
学習研究社発行)同『続日本100名城公式ガイドブック』(学研プラス発行)
Walkerplus「全国お花見ガイド」
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