珍しい中世の城です!
東北にある中世城郭の当時の姿がよく再現された野外博物館となっています。
根城は日本100名城(第5番)に選定され、国の史跡にも指定されていますね。
私は2003年の8月2日に登城しました。
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甲斐国南部領出身の南部師行(もろゆき)は、建武元年(1334)に現在の青森県八戸(はちのへ)にきました。
これは、後醍醐天皇の皇子・義良(よしなが)親王を奉じて陸奥に下った北畠顕家(あきいえ)の南朝軍に従ってのことです。
北朝方の足利政権は、根城の八戸南部氏に対抗するため、三戸(さんのへ)にあった南部守行(もりゆき)の三戸城を、南部支配の拠点の城とします。
八戸南部氏と三戸南部氏の戦いは明徳4年(1393)まで続き、根城の南部政行が南部家の惣領に着任しました。
八戸南部氏は勢力を増して、下北半島の蠣崎(かきざき)氏を倒し領国を拡張、陸奥国の有力国人領主になります。
豊臣秀吉の小田原城攻撃にさいして、三戸南部氏は小田原攻めに馳せ参じました。
しかし、根城の八戸南部氏は秀吉の命に従わなかったため、寛永4年(1627)に遠野に所領替えが決定。
根城は廃城となりました。
三戸南部氏が、八戸南部氏に代わって南部家の惣領に着任しています。
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根城は、馬淵川南岸の標高約120mの段丘上に築かれていました。
本丸を中心に、中館、東善寺館、岡前館、沢里館によって構成された、群郭式縄張りの城郭です。
「陸奥における天皇方の根本となる城」という意味で根城と言われたそうです。
築城当時は小さな館だけだったのですが次第に大きくなり、戦国時代になると壮大な城郭になりました。
現在は根城址の本丸跡が発掘調査され、出土した建物跡を復元展示しています。
主殿、工房、竪堀住居、厩、棟木門、塀重門、柵、倉庫などが、木端葺きで復元され、400年前の当時の姿を見せていますよ。
南北朝時代の館が復元されたのは初めてのことで、全国でも珍しいことです。
城址は平成6年(1994)に「史跡、根城の広場」という史跡公園として、一般公開されました。
八戸市広報チャンネルで根城の全体が分かる動画がありました。美しい桜つきですよ~ぜひご覧ください!
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*根城詳細
・アクセス:JR東北本線/東北新幹線・八戸駅から南部バス「司法センター経由」で約15分、「博物館前」下車、徒歩約5分で本丸跡
・営業時間:9:00~17:00(最終入城時間16:30)
・休業日:月曜日(第一月曜日・祝日の時は開館)/ 祝日の翌日(土・日曜日の時は開館)/ 年末年始
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【参考文献】
平井 聖監修『城 1 北海道 東北 吹雪舞うみちのくの堅城』(毎日新聞社 平成9年3月25日発行)、財団法人日本城郭協会監修『日本100名城公式ガイドブック』(学習研究社 2007年7月3日第1刷発行)他
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