日本のお城が大好きだと叫びたい人の雑記

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お城大好き雑記 第12回 丸岡城

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冬の丸岡城 by:photo-ac

12回目は福井県丸岡城といきましょう。

丸岡城は、古武士の風格を備えた質朴剛健な飾り気のない天守で、北陸唯一の現存天守です。

平山城で別称は(かすみ)ケ城、2006年に「日本100名城」(第36番)に選定されています。

従来この天守は現存する最古の天守建築と言われていましたが、望楼が長方形であること、慶長年間(1596~1615)の古図に天守がないことなどから、江戸時代初期の建造との説が近年では有力です。

 

いつものように、まずはちょいと歴史から。

築城は天正4年(1576)で、柴田勝家(かついえ)の甥の柴田勝豊(かつとよ)が築城者です。

安土城「天主」出現と同時期のものですから、如何に古い天守であるかがお分かりいただけますでしょう。

余談ですが、安土城天守は、織田信長が「天主」と名付けています。

このことから、信長が天守建築物をどう考えていたか、面白い問題です。

城主は柴田氏の後、目まぐるしく変わり、有馬氏で明治を迎えています。

 

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丸岡城 by:photo-ac

私は丸岡城へは、1995年6月28日に登城しました。 

丸岡城は丸岡盆地の標高17mの小高い丘に位置し、本丸を中心に北に二の丸、東に東の丸が配され、これらを囲んで幅1m弱の内濠が5角形に巡らされていました。

さらにこの濠に面して三の丸がつくられ、外濠で囲まれていましたが、大正中期から昭和初期にかけて濠が埋められ、現在は本丸と天守と僅かな石垣が残っているだけです。

城址は霞ケ城公園となり、歴代藩主関係の歴史資料などが展示されている丸岡歴史民俗資料館があります。


天守の構造は、大きな入母屋造りの一階に二階の望楼がのる型の二重三階初期望楼型独立天守です。

三階には高欄付きの廻縁がありますが、幅は狭く、歩行困難です。

装飾のために造られたのかもしれないと考えられています。

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出窓と石垣の間にあるのが腰庇 by:photo-ac

野面積みの石垣の天守台いっぱいに天守が建てられ、天守台の最上段である石垣の天端と初重壁面との間に雨水の侵入を防ぐための腰庇(こしびさし)屋根を巡らしています。

これ、大変珍しいものです。

 

軒下の垂木や壁面は板張りです。

初層の出窓格子をそのまま石落としとして利用しています。

また、姫路城天守など多くの天守内部は土壁ですが、丸岡城は全面が板張りです。

このような特色は、丸岡城が伝える天守建築の古い様式の一つ。

屋根瓦は、冬季に凍結して割れないように笏谷石(しゃくだにいし)という石瓦を使っています。

天守に石瓦を使用した現存例は丸岡城だけです。

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笏谷石の屋根瓦 by:photo-ac

丸岡城は創建以来火災にあうことはなく、昭和9年(1934)に国宝指定され、同16年には解体修理を受けましたが、23年(1948)の福井大地震によって倒壊しました。

しかし、可能な限り倒壊前の建材を活用して30年修復再建されました。

また平成14~15年にも天守の屋根の修理がされ、昭和25年に重要文化財に指定されています。

 

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丸岡城で有名な話に、「一筆啓上」があります。

 

これは徳川家康譜代第一の功臣で「鬼作左(おにさくざ)」の勇名を轟かせた本多作左衛門重次(ほんださくざえもんしげつぐ)が、長篠の戦いの陣中から妻にあてて「一筆啓上、火の用心、お仙泣かすな、馬肥やせ」と書き送った有名なお話です。

お仙とは嫡子幼名仙千代で、後の福井城主結城秀康(ゆうきひでやす)に仕え、数度の戦いで武勲を立てた丸岡城主6代目の本田成重(なりしげ)のことです。

この書簡碑は天守台石垣の東北隅に建てられていますよ。

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丸岡城詳細

住所:福井県坂井市丸岡町霞町1-59

アクセス:JR芦原温泉駅からバスで20分(【京福バス】芦原丸岡永平寺線「丸岡城」下車徒歩1分)/ JR福井駅からバスで45分

営業時間:8:30~17:00

休業日:年中無休 

 

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【 参考文献】

平井 聖監修『3 甲信越・北陸 銀嶺を望む風雪の城』(毎日新聞社 平成9年3月10日発行)、財団法人日本城郭協会監修『日本100名城公式ガイドブック』(学習研究社 2007年7月3日第1刷発行)、石井進監修『文化財探訪クラブ 城と城下町』(山川出版社1999年7月25日1版1刷発行)、中井均『超雑学 読んだら話したくなる 日本の城』(日本実業出版社 2010年6月20日発行) 丸岡城パンフレット他

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