日本のお城が大好きだと叫びたい人の雑記

とにかくお城が好き!日本のお城のアレコレを好き勝手に書きます。※当ブログはアフィリエイト活動を行っています。

お城大好き雑記 第75回 杵築城

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 75回目になりました。

今回は、大分県は杵築城(きつきじょう)です。

杵築城は国東(くにさき)半島の南部、守江湾に面する台地状の標高26mの島に築かれていました。

別称は勝山(かつやま)城、木付(きつき)城、台山(だいやま)城、臥牛城です。

日本100名城にも続100名城にも選ばれてはいませんが、杵築の城下町とともに古風な天守が私は好きです。

私は2003年9月6日に登城しました。

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                                          杵築城入口     by:photo-ac

木付城は、応永元年(1394)木付(きつき)氏4代目の頼直(よりなお)によって築城された平山城

当時は北に高山川、南に八坂川が流れ、東は守江湾という3方を川と海に囲まれた断崖の溶岩台地であったため、杵築城は天然の要害でした。

その土地の形状から、台山城と言われていたようです。

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杵築城址前説明版より

木付城は二度攻撃を受けましたが、難攻不落の城であったことから勝山城と言われ有名になります。

1回目は天正14年(1586)16代目の鎮直(しげなお)のときに、島津義久(よしひさ)らの大軍に囲まれました。

城は要害の島で、島津軍の海上からの攻撃にもよく耐え、二カ月におよぶ攻撃にも屈せず島津軍を撥ね退けます。そればかりか、撤退する島津軍に激しく追い打ちを掛けたほどです。

木付氏は17代にわたって城を居城としましたが、文禄2年(1593)に主家の大友義統(よしむね)が朝鮮出兵時の怠惰を咎められて、豊臣秀吉に領地を没収されてしまいます。

これにともない、朝鮮に大友氏とともに出兵していた17代目の統直(むねなお)が自刃、木付城を守っていた16代鎮直もまた自刃して木付氏は滅亡。

木付氏340年余りの歴史を閉じることになりました。

その後、木付城には秀吉配下の前田玄以(げんい)が文禄4年に、次いで杉原長房が慶長2年(1597)に入部します。

杉原氏はまず、北側の平地に城地を移す工事を開始。

今日伝わる近世城郭と城下町の姿が、この時代から造り始められました。

慶長4年細川忠興(ただおき)が小倉39万石の城主となると、木付には支城として城代が置かれました。

二回目の木付城の戦いは、旧主家の大友氏が、関ヶ原の戦いの混乱に乗じて木付城を奪還するべく攻撃してきた時です。

この大友氏の攻撃に対して、細川氏の木付城代・松井康之(やすゆき)が黒田如水の援軍を得て、城を守り通しました。

寛永9年(1632)には細川氏が肥後熊本に転封となり、代わって小笠原忠知(ただとも)が城主となります。

その後正保2年(1645)には松平(能見)英親(ひでちか)が入封。

松平氏10代が杵築藩3万2000石を明治維新までの220余年にわたって治め、松平氏の居城として杵築城は存続します。

 

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松平英親は、杉原氏が着手した城郭整備を引き継ぎ、城の平地移転を完了させました。

松平氏は台地上の城を廃城とし、台地の北側の平地に居館を造り、それと同時に城下町の整備も行っています。

南台(なんだい)と北台(ほくだい)には武家屋敷を配置。

城の移築した他、英親は50年に及ぶ在位の間にさまざまなことをしています。

たとえば杵築版「一村一品運動」を推進したり、水田を造成、畳表の量産に努めたり。

藩財政を豊かにした、立派な殿様だったんですね。

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杵築城天守   by:photo-ac

現在は城山公園となっている小高い丘に聳える天守は、昭和45年に本丸跡に有志により建築されたもの。

鉄筋コンクリート造り三重三階建ての、望楼型独立式模擬天守です。

大入母屋造の上に二重の望楼をのせて可愛い千鳥破風を置き、最上階には高欄を廻らせた古い形の天守ですね。

天守内には兜などの武具や調度品といった松平氏ゆかりの品で、貴重な文化遺産を展示しています。

初めて杵築城を探訪した時、タクシーの運転手が「日本一小さいお城です」と言って、乗せていってくれたことを懐かしく思い出しました。

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天守から見た景色    by:photo-ac

木付藩から杵築藩へと改称されたのは、松平氏3代目の重休(しげやす)のとき。

なんと徳川6代将軍の家宣(いえのぶ)が、朱印状に間違って「木付」を「杵築」と記したのがその理由と伝わっています。

以後、地名、城の名前も杵築となりました。

何しとんじゃって話ですけどね、将軍…。気を付けんかいな。

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北浜口番所番所の坂   by:photo-ac

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藩校の門   by:photo-ac

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志保屋の坂   by:photo-ac

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酢屋の坂   by:photo-ac

城の西にある二つの台地を武家町、その間の谷の部分を町人町、西のはずれを寺町としました。

城下町としての規模は小さいながらも、今なお残る北台武家屋敷跡や南台武家屋敷跡には、家老を務めた大原邸をはじめ、長屋、土塀などが当時のまま保存されています。

坂道の美しい城下町は落ち着いた佇まいをみせ、古い石畳や土塀や天守が城下町杵築の味わいを深めていますね。

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 坂のある城下町杵築   by:photo-ac

北台にある杵築小学校の門は、藩校「学習館」の正門をそのまま使っていて、学び舎の歴史を感じさせています。

近年は町並み保存に力を入れているが、まだそれほど観光地化してもおらず、歴史と人々の生活が溶け合った景観は杵築ならではの魅力でしょう。

石段の坂道の上から望む瓦屋根の家並みや杵築城の姿は本当に美しいです。

ゆっくり一泊して訪れてほしい城のひとつですね。

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きつき城下町資料館   by:photo-ac

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武家屋敷 中根邸   by:photo-ac

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商人町    by:photo-ac

 

【1泊2日大分県3城址の旅】

2003年9月6日から1泊2日で、大分県の3つの城址を探訪しました。

9月6日、以前に一度登城していた杵築城を探訪してから、近くの日出(ひじ)城址を探訪しました。

ここは美味しい城下(しろした)カレイで有名ですね。

城址は現在日出小学校となっていますが、天守台やカマボコ塀、空堀、石垣が残っていました。

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日出城天守台石垣    by:photo-ac

城主・木下延俊(のぶとし)の妻が、隣の中津藩主細川忠興の妹であった関係で、忠興が縄張りをしたと言われています。

そのためか日出城は別府湾に面した水城です。

現地の説明板では「暘谷(ようこく)」となっていました。

翌7日は、これも2度目の探訪の臼杵(うすき)に行きました。

臼杵城は、臼杵の海岸に突出する丹生(にう)島を天然の要塞として大友宗麟が築城。

重箱造と言われる畳櫓と卯の寅口櫓の二基が現存しています。

卯の寅口櫓は切妻屋根造りの二重櫓という珍しいものです。

それと近年復元された大門櫓があります。

臼杵臼杵石仏( 磨崖仏)で有名な観光地ですが、河豚料理も大変美味しく、有名ですよ。

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臼杵城畳櫓     by:photo-ac

 

*杵築城詳細

・住所:大分県杵築市杵築16番地1

・アクセス:JR日豊本線杵築駅からバスに乗り「杵築城」バス停下車

・営業時間:10時00分から17時(入場は16時30分まで)

・休業日:なし

 

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【参考文献】

平井 聖監修『城 8 九州 沖縄 火燃ゆる強者どもの城』(毎日新聞社 平成8年10月25日発行)、小和田哲男監修『ビジュアル・ワイド日本の城』(小学館 2005年3月20日第1版第1刷発行)、『城と城下町 西の旅』(日本通信教育連盟)、『城 其ノ三』及び『同 解説編』(日本通信教育連盟)、南條範夫監修『日本の城 名城探訪ガイド』(日本通信教育連盟)、西ヶ谷恭弘編『国別 城郭・陣屋・要害・台場事典』(東京堂出版 2002年7月15日初版発行)他