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6回目ですね。
今回は東北のお城に参りましょう。
岩木川の河岸段丘上に築かれた平城で、別称は鷹岡城、高岡城です。
2006年に「日本100名城」(第4番)に選定されています。
弘前城は、津軽統一を成し遂げた津軽氏の二代目藩主・信枚(のぶひら)によって慶長16年(1611)年に五重の天守が南西隅に築城されましたが、寛永4年(1627)に落雷により焼失しています。
現存の天守は、文化7年(1810)に蝦夷地警備の功績を認められた九代藩主・寧親(やすちか)が隅櫓の改築を理由に天守再建に着工し、翌年完成したものです。
重要文化財に指定されています。
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初めて弘前城に登城したのは、2003年8月2日です。
この年は東北地方と沖縄県を中心に、なんと64城(城址)も探訪しました。
8月1日に花巻城址、盛岡城址、九戸城址、三戸城址(三戸城温故館という模擬天守があります)、2日に八戸城址、根城(主殿や工房櫓など本丸の建物群が復元され、東北中世の城郭の旧観を再現した野外博物館)と探訪して、最後に弘前城に登城しました。
弘前城と言えば、先ずはこの写真でしょう。
桜の季節に、赤い欄干の下乗橋から見る弘前城の美しさは何にも代えがたいものがありますね。
内濠にびっしりと桜の花びらが敷き詰められたように浮かんでいる景色もみごとなものです。
この天守は、下乗橋から北と西の外面を見ると一重目に石垣面から張り出した石落しの付いた切妻造りの出窓があり、二重目にも同じような切妻造りの出窓があります。
総塗籠の白漆喰造りです。
縦長の狭間(小窓)が付けられ、曲線のない質素で小柄な天守ですね。
ところが本丸側から東と南面を見ますと、装飾的な天守の外側と違っています。
一重目に入口があり、左右に2個ずつの窓、二重目、三重目も同じような外開きの扉の付いた採光のための竪格子連子窓があるだけで、千鳥破風のような装飾はまったくありません。
ただの隅櫓のようです。
まったく違う姿に驚きますよね。
観る方向によって外観が変わる理由は、もともと南東隅にあった三重の辰巳(たつみ)櫓を改造して代替天守として、外側だけ見栄えを良くしたためです。
江戸時代は「御三重櫓(ごさんがいやぐら)」と呼ばれていたようですよ。
層塔型独立天守で現在は弘前城史料館として、藩政時代の史資料を展示。
屋根瓦は防寒対策として銅瓦が使われております。
弘前城には、二重櫓の追手門ほか同じ櫓門形式の城門が五棟、装飾のないシンプルで1、2階が同じ大きさの隅櫓が三基現存しておりますが、いずれも重要文化財です。
二の丸丑虎櫓 by:photo.ac.com
三基の櫓は現存するものとしては最小ですが、これだけの多くの遺構があるのは珍しく、本州最北の名城です。
縄張りは、本丸、二の丸、三の丸と張り出す梯郭式で、さらに北の丸、四の丸を構える壮大な城地となっています。
明治末期頃から市民による桜の寄贈が盛んになり、現在はソメイヨシノやシダレザクラ、八重桜など約2,600本余りの桜が春になると園内を埋め尽くします。
今やお城と桜と言えば弘前城ですね。
弘前城は「日本さくら名所100選」にも選ばれている東北きっての桜の名所としても有名です。
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本丸の石垣修理のため、曳屋(曳家ひきや)という工法を使ったのですね。
天守を解体しないでそのままの状態で本丸中央部まで引っ張り、移動させます。
石垣修理が終了したら元の位置に戻りますが、予定では2021年度です。
この曳屋工事には多くの市民が参加したようですよ。
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弘前公園の公式サイトがありましたので、のせておきますね。
*弘前城詳細
アクセス:弘前駅からバスで15分
営業時間:9:00~17:00 ただし、4月23日~5月5日までは7:00~21:00
休業:11月24日~3月31日
*本日のおすすめの本「城を巡るのがおもしろくなる本」
お城について書いている好きな本、おすすめの本を1冊ずつ紹介していきます。
「城を巡るのがおもしろくなる本」 2010年 著:今泉慎一 出版:扶桑社文庫
お城の構造や仕組みなどの基礎知識、お城にゆかりのエピソードなどがずらーっと紹介された本です。1章が短く読みやすく、ちょっとした暇つぶしにももってこいですよ。
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【参考文献】
平井 聖監修『城 1⃣北海道 東北 吹雪舞うみちのくの堅城』(毎日新聞社 平成9年3月25日発行)、『別冊歴史読本 城の見方・歩き方―身近な城を歩くためのガイドブック』(新人物往来社 2007年6月1日5刷発行)、財団法人日本城郭協会監修『日本100名城公式ガイドブック』(学習研究社 2007年7月3日第1刷発行)、石井進監修『文化財探訪クラブ 城と城下町』(山川出版社1999年7月25日1版1刷発行)、南條範夫監修『日本の城 名城探訪ガイド』(日本通信教育者)他 弘前城パンフレット
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