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69回目は、秋田県の久保田城です。
久保田城は平山城で、秋田(久保田)藩の藩祖となる佐竹義宣(さたけ よしのぶ)が築城しました。
本丸には土塁が良く残っていて、東日本の「土塁の城」の姿を実際に見られる城址ですよ。
「日本100名城」(第9番)に選定されており、別称は矢留(やどめ)城、秋田城。
私は久保田城へ、2001年8月28日に登城しました。
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関ケ原の戦いで東軍にも西軍にも属さなかった佐竹義宣は、戦いの後で家康に常陸の領国50万石を没収され、出羽国秋田に移封されます。
慶長7年(1602)に義宣は、秋田の前領主・安東氏の居城であった土崎湊(つちさきみなと)城に入りました。
しかしその城は手狭かつ防備が不十分だったのですね。
そのため家康の許しを得て、翌8年から秋田平野の中央、太平(たいへい)川と旭川に守られた丘陵地の「矢留の森(神明山とも呼ぶ)」に新たに築城を開始します。
雄物川水運と土崎湊の接点となるところです。
しかし、転封したものの領地の石高が決められないままの築城でしたので、資金不足で立派な城郭を築城することができませんでした。
石高が不明な佐竹氏は江戸城内でもいつもぞんざいに扱われ、屈辱を強いられていたと言われています。
結局佐竹氏の石高が20万5,800石と裁定されたのは、実に62年後の嫡男義隆の代でした。
佐竹家は清和源氏の系譜に連なる名門家。
ですから出羽への転封と石高が未定のまま(したがって江戸城においては居る場所が定まらない)に捨て置かれたのは、何にも代えがたい屈辱だったでしょう。
徳川家に徹底的にいじめられた大名ですね。
城は丘陵上を本丸とし、二の丸、三の丸を構え、三の丸は土塁と水濠を廻らせていました。
小高い山や川を巧みに取り入れた複雑な梯郭式の縄張りです。
本丸と二の丸の虎口の門のところだけに石垣が築かれており、あとは土塁造りの城郭で、徳川幕府への配慮からか天守は築きませんでした。
本丸御殿の外観は平屋、内部二階建ての入母屋造りの建物(櫓)で、天守の代わりです。
現在は「出書院(でしょいん)」と呼ばれている建物ですね。
また二重櫓も極力控えられ、本丸にあった二重櫓も荒壁造りであったようです。
総構を含めた塁上には、隅櫓がわずかに八基しか造られませんでした。
これらのことから、佐竹氏がいかに徳川家を恐れていたかが分かりますね。
新城を久保田城と名付けます。
江戸城にてしばらく冷遇はされましたが、佐竹氏は改易されることなく無事に幕末まで存続しました。
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本丸北西隅にあった隅櫓は望楼のない二重櫓で、物見(ものみ)と武器庫に使用されていて新兵具(しんへいぐ)隅櫓と呼ばれていました。
平成元年(1990)に市制100周年を記念して、二重櫓の上に望楼を作り、三重四階の櫓にして復興しています。
二重目以上は白漆喰総塗籠で三重目に入母屋破風、出格子窓の唐破風、四重目に朱色の高欄を廻らせた優美な天守(櫓)です。
上の写真は平成13年に復元された本丸の表門。櫓門ですね。
二の丸広場から長坂の石段を登ると長坂門があり、ここから本丸の表門へと道がつづいています。
長坂門は本丸南の大手口にあった門です。
久保田城は基本的には土造りの城ですが、重要な部分の土塁下部には写真のように石垣が使われています。
城址は千秋(せんしゅう)公園となり、整備されて市民の憩いの場となっています。
昭和63年に修理された御物頭御番所(おものがしらおばんしょ)があります。
御番所は藩政時代唯一の遺構で、二ノ門である長坂門の開閉や火災の消火などを受け持った足軽組頭(物頭)の詰め所でした。
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2001年8月27日から1泊2日で秋田県の4城址巡りを楽しみました。
27日は土塁と水濠しか残っていない本庄城、続いて秋田城(「続日本100名城」第107番)を探訪。
秋田城(柵)は、古代東北において多賀城と並び重要視された城柵(じょうさ
く)です。
東北北方の防備と支配のために築かれた政庁ですね。
平成10年に東門と築地塀が復元されました。
翌28日は冬の名物「かまくら」で有名な横手市にある横手城を探訪。
一国一城令のあとも久保田城の支城として幕末まで存続した城でした。
横手城にはもともと天守はありませんでしたが、昭和40年(1965)に二の丸跡に三重四階の模擬天守が建てられています。
内部は郷土資料館ですね。
城址は横手公園となっていて、2月のかまくらの会場にもなっています。
その後、今回紹介した久保田城を探訪しました。
*久保田城詳細
・アクセス:秋田駅から徒歩で10分
・営業時間:9時~16時30分 ※市立小中学校の夏季休業日は、9時~19時
・休業日:12月1日~翌年3月31日
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【参考文献】
平井 聖監修『1 北海道 東北 吹雪舞うみちのくの堅城』(毎日新聞社 平成9年3月25日発行)、公益財団法人日本城郭協会監修『日本100名城公式ガイドブック』(学習研究社 2007年7月3日第1刷発行)、南條範夫監修『日本の城 名城探訪ガイド』(日本通信教育連盟)、『城 其ノ二』及び『同 解説編』(日本通信教育連盟)、『城と城下町 東の旅』(日本通信教育連盟)、西ヶ谷恭弘編『国別 城郭・陣屋・要害・台場事典』(東京堂出版 2002年7月15日初版発行)、森山英一編著『古写真大図鑑 日本の名城』(講談社+α文庫 1998年11月20日第1刷発行)他
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