日本のお城が大好きだと叫びたい人の雑記

とにかくお城が好き!日本のお城のアレコレを好き勝手に書きます。※当ブログはアフィリエイト活動を行っています。

鉄道での城巡りの旅ー5泊6日四国7城巡りー

予讃線の列車と伊予大洲城   by:photo-ac

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今回は随分昔の話で恐縮ですが、季節もよく城巡りの参考になればと思い掲載します。

 

1996年(平成8年)

7月13日から5泊6日で、四国を海沿いにぐるっと一周しての城巡り!

前日出張で徳島に行くことが決まっていたので、その翌日から勤続20年の特別休暇の1週間を使って、以前からしてみたいと思っていた鉄道での城巡りを実行しました。

7月13日 徳島城

まず駅前にある徳島城日本100名城)に登城。

豊臣秀吉重臣蜂須賀小六の子である家政が、吉野川の支流に挟まれた地に築城しました。

蜂須賀家が阿波国支配の拠点とした平山城です。

なんと明治維新まで14代が一度も転封されることなく、約280年間蜂須賀家の居城として存続しました。

徳島城    by:photo-ac

徳島中央公園にある徳島城博物館  by:photo-ac

徳島駅前にあるシティホテルに泊まり、夜は、駅前近くにある有名な居酒屋「とくさん」で四国一周城巡りの成功を祈って、一人の出陣式を実施しました。

 

7月14日 丸亀城川之江

徳島から高徳線に乗って丸亀駅へ。

丸亀城日本100名城)は駅の正面にあり、徒歩15分くらいでした。

丸亀城は、慶長2年(1597)から、生駒親正によって築城が開始された平山城です。

圧倒的な高さ(日本一)を誇る三段に積み上げられた石垣の上に、三重三階建ての白漆喰総塗籠層塔型独立式の小さな天守現存天守で最小規模)が見えます。

一重目の屋根に向唐破風、二重目の屋根に小さな千鳥破風が置かれていますね。

天守まで登って行くのは結構大変ですが、本丸から見た讃岐平野と瀬戸内海の景色は絶景です。

高石垣と丸亀城天守  by:photo-ac

丸亀城現存天守  by:photo-ac

そのあと、丸亀駅から予讃線川之江に向かいます。

川之江は、駅から徒歩15分の所にある鷲尾山山頂に築かれていました。

昭和61年(1986)に、川之江市が市制30周年の記念事業として、市民の寄付などで再建したものです。

鉄筋コンクリート造の三重四階建て望楼型独立式模擬天守は、大きな入母屋破風と朱色の廻高欄のある桃山風でした。

他に涼櫓や隅櫓、櫓門などが再建されていますよ。

川之江城   by:photo-ac

川之江城模擬天守   by:photo-ac

川之江城を攻城したあと、予讃線で一路大好きな城下町街松山へ向かいます。

松山で一泊。

道後温泉と、馴染みの居酒屋を楽しみました。

この頃松山には毎年5泊程の出張をしていたので、馴染みにしていた居酒屋が2、3軒あったのです。

 

7月15日 伊予大洲

松山から内子線経由で伊予大洲駅へ。

このときはまだ本格的な「乗り鉄」ではなかったので、青春18きっぷなどのポスターで有名な「下灘」駅を通ることには思い至りませんでした。

しかし、その後数年してから乗り鉄を実施しましたよ。

コースは大阪から岡山、高知、予土線四万十川の景色を楽しみ、宇和島伊予大洲から予讃線の海岸線経由で下灘駅の風景を楽しみ、岡山経由で帰阪するというものでした。

 

大洲城日本100名城)は、駅から20分ほど歩きます。

この日訪れた大洲城は、まだ天守が再建される前でした。

本丸に台所櫓と高欄櫓、肘川の川岸に苧綿(おわた)櫓、離れた三の丸跡に隅櫓が遺構として残っていただけでしたね。

本丸周辺はほぼ放置され、雑草があちこちに生えているようなまことに気の毒な状態でした。

平成16年(2004)に、大洲市市制50周年記念事業として古写真や天守雛型などを基にして、天守が伝統工法により木造再建されます。

日本で最も新しい木造復元天守です。

台所櫓と高欄櫓を渡櫓で連結した、四重四階建て層塔型複合連結式復元天守で、下見板張り、比翼千鳥破風、千鳥破風、向唐破風で飾られていますよ。

実に堂々としていました。

2006年12月1日に復元天守を探訪するために再度攻城しております。

大洲城複合連結復元天守   by:photo-ac

大洲城復元天守   by:photo-ac

大洲城探訪のあとは、臥龍山荘やNHKの朝ドラで有名になった「おはなはん通り」などを観光して、宇和島へ。

宇和島駅にあるホテルで宿泊。

居酒屋で郷土料理(鯛めし)を楽しみました。

郷土料理大衆割烹「ほづみ亭」が有名店ですね。

 

7月16日 宇和島城

朝一番に宇和島城日本100名城)を攻城しました。

宇和島城は、名築城家の藤堂高虎が築城した城郭です。

現存の天守は、仙台の伊達政宗の庶長子の伊達秀宗によって、標高74mの山頂に改築されたもの。

三重三階建て白漆喰総塗籠の層塔型独立式天守です。

御殿のような唐破風の入口の上に比翼千鳥破風、その上の真ん中に千鳥破風、その上には軒唐破風がついた装飾性の高い小さな美しい天守です。

2代目の防御の全くない天守が建てられた寛文6年(1666)頃は、戦いのない平和な時代になっていたからでしょうか。

宇和島城現存天守    by:photo-ac

宇和島城現存天守    by:photo-ac

 

7月17日 中村城

宇和島から、予土線というローカル線で高知県窪川に向かいます。

予土線は本数も少なく時間もかかりますが、車窓からの景色は素晴らしいものです。

特に四万十川に沿って行く景色はなんともいえません。

ただし、一両の列車にはトイレが付いていませんので注意してください。

乗る前にトイレをすましておくことをお勧めいたします。

窪川駅で土佐くろしお鉄道に乗り換えます。

第三セクターのローカル線で、宿毛まで伸びている線ですね。

土佐の小京都といわれる中村駅で下車。

中村城までは、徒歩だと30分以上かかりますので、行きはタクシーに乗りました。

応仁の乱(1467)勃発の翌年、前関白の一条教房(のりふさ)は、戦乱の京都から逃れて、荘園があった土佐国中村に来ました。

一条氏はもとからあった城を修築して居城にしたらしいです。

そして、城下町を京都のように整備します。

一条氏は土佐の豪族たちに奉られて、5代100年の間土佐の国司として在城します。

しかし、四国統一を目指す長宗我部元親による画策で、一条氏は自身の家臣たちによって中村を追放されてしまいます。

現在の天守は、愛知県の犬山城を模して、二の丸跡に四万十市立郷土博物館として昭和48年に鉄筋コンクリートで建造されたもの。

四重五階建て白漆喰総塗籠の、望楼型独立式模擬天守です。

安並の四連水車と中村城模擬天守  by:photo-ac

中村城模擬天守   by:photo-ac

中村城の探訪を終えて高知駅土讃線で向かいます。

市内のビジネスホテルで宿泊し、居酒屋で土佐料理を楽しみました。

私は高知市ではなく土佐市生まれのうえ、高校2年生の春に奈良市に転校したので、この頃は高知市内に飲み友達はいませんでした。

ここでも一人酒を楽しみました。

 

7月18日 日和佐城

早くにホテルを出発。

JR高知駅からバスに乗り、室戸岬に向かいます。

途中の奈半利で次のバスに乗り換え、室戸岬を越えて甲浦まで路線バスの旅。

右に見える太平洋の景色を楽しみました。

(注:土佐くろしお鉄道後免・奈半利線は2002年7月1日開業)

 

甲浦からは阿佐海岸鉄道に乗って海部まで。

バスの車窓や阿佐海岸鉄道の車窓からの景色は素晴らしく、楽しい時間を過ごせますよ。

海部からは牟岐線に乗り換え、ウミガメの産卵地で有名な日和佐で下車。

日和佐城を攻城します。

日和佐駅の正面に見える日和佐城は、標高70mの小山にあります。

徒歩20分程度ですね。

わたしが登城した時は、天然記念物の赤うみがめと日和佐の歴史と伝統資料を展示する郷土館でした。

現在の天守は、昭和53年に日和佐勤労者野外活動施設として鉄筋コンクリートで建造された四重四階建て白漆喰総塗籠層塔型複合式模擬天守です。

日和佐城模擬天守 by:photo-ac

日和佐城  by:photo-ac

日和佐城から駅にもどり、牟岐線徳島駅へ。

徳島駅から瀬戸大橋線をとおり、岡山からは新幹線で大阪に帰りました。

この旅では、2つの現存天守と3つの模擬天守を攻城しました。

鉄道とローカル線バスと城と居酒屋とを充分に楽しんだ、とっても贅沢な6日間でした。

故郷の高知城松山城の有名な二つの現存天守を攻城しなかったのは、前年5月26日に松山城、9月4日に高知城を攻城していたからです。

1996年は、日本100名城が選定され城ブームが起こる前でしたから、どこの城郭も訪れる人も少なく、ゆっくりと攻城できました。

四国には、日本100名城が9城日本100名城が5城の計14城あります。

改めて、ゆっくり観光や居酒屋を楽しみながら攻城してみたいものです。

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【参考文献】

平井 聖監修『城 7 四国 黒潮寄せる南海の城』(毎日新聞社 平成9年1月25日発行)、財団法人日本城郭協会監修『日本100名城公式ガイドブック』(学習研究社 2007年7月3日第1刷発行)、『城と城下町 西の旅』(日本通信教育連盟)、『城 其ノ三』及び『城 解説編』(日本通信教育連盟)、南條範夫監修『日本の城 名城探訪ガイド』(日本通信教育連盟)、西ヶ谷恭弘編『国別 城郭・陣屋・要害・台場事典』(東京堂出版 2002年7月15日初版発行)他