103回目になりました。
今回は、石川県の七尾城を紹介します。
七尾城は、石動(いするぎ)山系の先端部、急峻な尾根筋に築かれた典型的な中世の山城です。
室町時代に約150年余の間、能登の守護・畠山氏の居城でした。
標高約300mの七つの尾根に、本丸をはじめいくつもの曲輪が配されていたので「七尾」城と呼ばれたといわれています。
難攻不落の堅城です。
薄い石板に「七尾城址」と刻まれた石碑はとても立派なものですよ。
本丸をはじめ主要部の曲輪の保存状態がよく、中世の山城遺構として国の史跡の指定を受けています。
別称は松尾城で、「日本100名城」(第34番)に選定されています。
七尾城へは、2004年8月10日に登城しました。
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七尾城は15世紀初め、室町幕府の三管領である畠山氏から分かれて能登の守護職となった能登畠山氏が築城したと伝わっています。
ただし、確かなことは分かっておりません。
畠山氏は、はじめ山麓に居館を構え、七尾城を有事に備えた山城として築城したようです。
畠山氏は何代かに渡り、七尾城の整備・拡張を続けていました。
戦国時代の弘治3年(1557)には、平時の居館としての山城が完成していたと思われます。
本丸、二の丸、三の丸、調度丸、桜の馬場、大手口などがあり、遊佐屋敷、温井屋敷、長屋敷など重臣の名前がついた曲輪が置かれました。
上の図で、壮大な規模の城郭となっていたことがわかりますね。
非常に堅固な城構えとなっていたようです。
越後の上杉謙信は、天正3年(1575)に1万の軍勢で七尾城を攻撃。
しかし、あまりの堅城で攻めあぐねます。
畠山氏はなんと2年間七尾城に籠城して抵抗しましたが、重臣である遊佐続光(ゆさつぐみつ)らの内応によって、同5年に落城しました。
その後は上杉謙信が城主となっていましたが、天正7年には畠山氏の旧臣・温井景隆(ぬくいかげたか)が奪還。
天正9年には、前田利家が能登一国を信長によって与えられて七尾城に入城します。
利家は、七尾城があまりにも急峻な山城であること、そしてもう山城の時代ではないと考えたことにより、海に近い小丸山に新しく築城して本城を移します。
そして現在につながる七尾の町の基礎を造ったのですね。
山城の七尾城は、こうして廃城となりました。
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杉木立のなか、ひたすら本丸を目指して登城します。
七尾城にはそれほど高い石垣はありません。
特徴は、曲輪の重要な場所は2mほどの低い野面積みの石垣を数段積み上げて、高石垣の代わりにしていることでしょう。
本丸の入口付近の石垣は、戦国時代の野面積みの石垣が残っています。
隅部はまだ算木積みにはなっていないようですね。
曲輪の重要な場所には石垣が築かれています。
山頂を削平して本丸を置き、その奥に天守台を築いていました。
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本丸址に昭和17年(1942)に建立された城山(しろやま)神社です。
城主畠山氏を祀っています。
絶景ですね。
麓の城山の里のバス停近くに、七尾城史資料館があります。
七尾城主の畠山氏ゆかりの遺品や出土品などが展示されていますよ。
2004年8月10日から1泊2日で石川県能登半島の付け根にある七尾城址を訪ねました。
小丸山城は、能登国に入封した前田利家が本城として築城した城。
尾山城(のちの金沢城)に本拠を移すまでの間の居城でした。
城跡は大正9年(1920)に小丸山公園として整備され、桜の名所で市民憩いの場となっています。
2001年のNHK大河ドラマ「利家とまつ~加賀百万石物語~」の放映を記念して、利家とまつの銅像「前田利家松子之像」が建立されましたよ。
それから七尾城を攻城。
翌日は、福井からえちぜん鉄道に乗って勝山に行き、越前勝山城を探訪しました。
本当の城跡は市役所の所にあったようで、そこには石碑が設置されていました。
今は別の場所に、勝山城博物館として立派な五重六階の天守が建てられています。
石垣から屋根に乗っている鯱までが57.8mと、日本一の高さを誇る連結式の模擬天守です。
天守台石垣は龍の文様で飾られていて、見ごたえがありました。
また機会があれば、ぜひ行きたいです。
七尾城の全体を知ってもらうために作られた、CG動画です!
とても面白いので、10分ほどですがぜひご覧ください。
いかに壮大だったかがよくわかりますよ。
*七尾城詳細
・住所:石川県七尾市古屋敷町タ8-1
・アクセス:JR七尾線・七尾駅から、市内巡回バス「まりん号」東回りで約13分、「古屋敷町」下車、本丸まで徒歩約60分
・営業時間:24時間
・休業日:年中無休
※七尾城資料館は、営業時間9:00~17:00まで、12月11日~3月10日まで休業
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【参考文献】
公益財団法人日本城郭協会監修『日本100名城公式ガイドブック』(学習研究社 2007年7月3日第1刷発行)、『城 其の二』及び『同 解説編』(日本通信教育連盟)、『城と城下町 東の旅』(日本通信教育連盟)他
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