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20回目になりましたね。
今回は前回と国宝つながりで、長野県の松本城を紹介します!
松本城は梯郭式平城で、別称は深志(ふかし)城、烏(う)城です。
2006年に「日本100名城」(第29番)に選定されています。
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では、歴史から見ていきましょう。
松本城は戦国時代に小笠原氏一族の島立貞永(しまだち さだなが)が築いた深志城に始まると言われています。
天文19年(1550)に武田晴信(はるのぶ 信玄)は深志城をはじめとする支城すべてを落城させ、深志城を大改修。
その後の30年間信濃における拠点として、城下町の整備にも力をいれました。
その後、一時小笠原貞慶(おがさわら さだよし)が深志城を奪還するも、天正18年(1590)の豊臣秀吉の小田原城攻略後、徳川家康の関東移封に伴い、石川数正(いしかわ かずまさ)が入ります。
数正は、近世城郭の建設と本格的な城下町造りに着手しました。
数正の死後、嫡男の康長(やすなが)が偉業を継ぎ、文禄3年(1594)頃に現存する天守・乾小天守・渡櫓を完成させます。
烏城という別称の通り、黒い鳥が翼を広げたように黒い板壁の天守群が、北アルプスの山並みを背景にした気品に満ちた威容を見せています。
まさに信濃の名城です。
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江戸時代の城主は、石川氏のあと小笠原氏、戸田(松平)氏など6家が続き明治を迎えました。
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松本城へは2001年9月14日に登城しました。
松本城は、松本平に築城され、内濠の内側に本丸、中濠に囲まれた二の丸、外濠に囲まれた三の丸と三重の水濠で囲まれた梯郭式平城です。
案内図の⓵が天守、②が本丸御殿、③が二の丸御殿、⑩が太鼓門、⑪が黒門。
本丸の北側と東側の石垣は直線ですが、本丸の入口に当たる黒門の前に大きく張り出した桝形から、天守を中心とした南・西側の石垣は防御を配慮した横矢掛りの折れ曲がった石垣です。
またこの部分の濠幅は最も広く取られています。
二の丸から見る天守は大きく堂々とした威容を誇っていますね。
左から月見櫓、その後ろが辰巳付櫓、天守、渡櫓、乾小天守です。
天守は五重六階、天守入口である渡櫓で繋いで天守入口の防御を固めた乾小天守(三重四階)で、辰巳付櫓(二重二階)と月見櫓を付属させた層塔型連結複合式の唯一の現存遺構です。
松本城天守は五重天守としては現存最古のもので、大規模な天守建造への転換期に造られたものと言えます。
野面積みの天守台は天守の大きさに比べやや低く、勾配も緩やかでどっしりとした安定感がありますね。
外観の特徴は「素朴」と「力強さ」。
各重の外壁の上部は白漆喰で固め下部は漆塗りの黒い下見板張りです。
この黒さが、別称烏城の由来ですね。
二重目の南面に大きめの千鳥破風、三重目の東・西面に千鳥破風、北・南面に唐破風が対で設けられ、装飾的破風は少なめ。
石落しは露出型の古い形式のもので、一階の各隅のほか中間にも数多く設けられています。
狭間も初期的な開放型形式で正方形の鉄砲狭間のほか、短冊形の矢狭間や武者窓などもあり、軍事的性格を強く示しています。
ある意味城らしい城……。
辰巳付櫓と月見櫓は松平直政(まつだいら なおまさ)の寛永10年(1633)の建造だそうです。
月見櫓は、当時の安定した世相を反映してか、天守とは趣を異にしています。
三方が吹き抜けに造られ、戦闘や防備とは無縁な風雅かつ開放的な造り。
外縁の朱塗りの高欄が美しく、石落としなどはありません。
その名とおり月見の為に築造されたと言われていますが、現在は出口として使われていますよ。
太鼓門は二の丸の正門に当たります。
昭和44年から平成4年に石垣が修復されました。
平成11年には高麗門(手前の門)と櫓門(奥に見える屋根)、塀が伝統的工法で復元され、往時のままの威風堂々とした姿が蘇っています。
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この松本城、何と1度、解体の危機がありました。
1872年ですね、明治5年、天守が競売にかけられたのです。
何てこった!!
しかし地元の有力者たちの尽力によって買い戻され、解体されずに済んでいます。
良かった良かった!!
当然ながら、国宝・松本城には伝説もたくさん残っています。
ここに書くと長いので、公式ホームページの「松本城伝説」をリンクで置いておきます!
チェックしてみてください。
読み物としても面白いですよ!
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*松本城詳細
・アクセス:JR篠ノ井線・大糸線・アルピコ交通上高地線各松本駅から徒歩約20分
・営業時間:8時半~16時半
・休業日:年末年始
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【参考文献】
平井 聖監『城 3 甲信越 北陸 銀嶺を望む風雪の城』(毎日新聞社 平成9年3月10日発行)、財団法人日本城郭協会監修『日本100名城公式ガイドブック』(学習研究社 2007年7月3日第1刷発行)、中井均監修『超雑学 読んだら話したくなる 日本の城』(日本実業出版社 2010年6月20日発行)、『城と城下町 東の旅』(日本通信教育連盟)『城 其ノ二』及び『同] 解説編』(日本通信教育連盟)他
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