日本のお城が大好きだと叫びたい人の雑記

とにかくお城が好き!日本のお城のアレコレを好き勝手に書きます。※当ブログはアフィリエイト活動を行っています。

お城大好き雑記 第5回 松江城

▼PR 利き酒師が選ぶお酒

f:id:sekimeitiko:20200503165749j:plain

松江城 by:photo-ac

今回は、島根県松江城です。

松江城は、宍道湖(しんじこ)に臨む水運の要衝に築かれた平山城です。

別称は千鳥城。

2006年に「日本100名城」(第64番)に選定されています。

松江城は山陰地方に唯一現存する天守で、2015年に指定された新しい国宝天守です。

さて、国宝の天守は他に四つありますが、全部言えますか?

▼関連記事

 

***********************

 

初めて松江城に登城したのは、1995年2月26日のことでした。

この年は2月5日に佐賀県唐津城に登城しています。

思いつくままにお城を探訪し始めた初めての年で、2城目の城でした。

このころは天守のあるお城しか探訪していなくて、1年間で14城に登城しました。

元気でしたよね……。

 

堀尾吉晴(よしはる)は、関ヶ原の戦いの後、出雲壱岐24万石の大大名として遠江浜松から入封してきました。

初め月山富田城に入城しますが、山城で領国の経営には適さないことから、新たに城地を探します。

現在城郭のある宍道湖北東岸の標高28mの亀田山を選び、新たに城を築くことにします。

慶長12年(1607)に、徳川幕府の許可を得て松江城を築きました。

加藤清正と並び称される名築城家の吉晴は、実践重視の堅固な城造りをします。

亀田山のほぼ中央に本丸を置き、その周囲に腰曲輪、一段下がった南に二の丸を置きます。

本丸の周囲は多聞櫓で囲み、石垣は横矢が掛けられるように屈折や折れを多用し、防御性を高くしています。

二の丸の南下には、四方を外濠で囲んだ三の丸を置き、三の丸の外側に整然と町割りをした城下町を造りました。

吉晴は、残念なことに松江城の完成を目前にして亡くなり、孫の忠晴が跡を継ぎますが、忠晴も子供がなく、堀尾家は断絶。

堀尾氏につづいて京極忠高が入城しましたが、残念ながらこれまた断絶。

寛永15年(1638)に、松平直政(なおまさ)が信濃松本から入封し、松平氏10代230年で明治を迎えます。

         堀尾吉晴像   by:photo-ac

一の門を入って右を見ると、本丸に突然大きな天守が現れます。

f:id:sekimeitiko:20200505142458j:plain

天守 by:photo-ac

天守の、正面に二つの大きな入母屋破風が目に飛び込んできます。

天守の左側に廻って見ると、ひときわ大きな入母屋破風を発見。

その姿から分かるように、松江城は一重目と二重目が同じ大きさの二重櫓の上に、三重櫓を載せた桃山初期の望楼型天守です。

入り口のある付櫓を備えた複合式天守で、外観は五重、内部は六階になっています。

三重目の中央に火灯窓、周囲に武者窓、その上の入母屋破風の真ん中にも武者窓があります。

黒く塗られた下見板張りに覆われていて、そのどっしりとした重量感のある姿は、戦国武将の姿を思わせますよね。

天守台の石垣は牛蒡積み(ごぼうづみ)。

粗野に見えますが、堅固な石垣です。 

f:id:sekimeitiko:20200505142756j:plain

松江城の石垣 牛蒡積み by:photo-ac

松江城は、戦国武将の如く極めて実践重視の軍事的配慮が強い城です。

天守の中に入ると、石落しや狭間、石打棚(天守の地階の窓から敵を攻撃出来るように設けられたスペース)など、天守の防御のための様々な設備に驚きます。

特に目を惹くのは、付櫓に侵入してきた敵に対して天守内部から攻撃出来るように鉄砲狭間が切られていること。

また、94ヶ所にも及ぶと言われる隠し狭間があり、この狭間は壁面と同じ黒色で塗られた板で外から蓋がされ、外側からは狭間とは見えません

よく見ると二重目の屋根から大きく出っ張っているのが見えますが、この部分は石落しになっています。

隅部だけでなく、このような大掛かりな石落しは、大変珍しいものですよ。

 

地階には塩などの兵糧貯蔵庫を設け、火災予防のために床を敷き瓦にしていて、大井戸まであります。

天守内部に井戸を備えた現存天守松江城だけ

確認はしておりませんが、1階には人質たちを収容する部屋や4階西側には城主用の厠があるとのことです。

これらはすべて籠城戦に備えての造りとなっています。

内外装はとても簡素なものですが、これまで見てきたように細部に至るまで軍事的用途を第一に考えた天守の造りです。

城内に植えられた樹木も、椿は刀の手入れ用油、樫は槍の柄、竹は弓の矢、楓は炭用と考えられていたのだと言われていますよ。

 

***********************

 

築城者堀尾吉晴は、外様大名24万石の太守ですが、いつ徳川方に追い落とされるか分からないため、このように籠城戦を強く意識した城造りをしたのかもしれません。

最上階の望楼から美しい宍道湖松江市内を一望し、堀尾城主の気持ちになってみてはいかがでしょうか。

平成13年に二の丸の南櫓、中櫓、太鼓櫓が復元されました。

縄張りは、本丸から南へ順に低くなって二の丸、三の丸が築かれている梯郭式です。

f:id:henro883:20210914174908j:plain

                        松江城天守と桜  by:photo-ac

 

松江城日本さくら名所100選に選ばれています。

桜の季節にゆっくりと行きたいものです。

松江城の公式HPを紹介しておきます。↓↓面白いので、見てみてくださいね。↓↓

城の北側は塩見縄手というところで、築城当時に植えられた松の古木が残っています。付近には中老塩見家の屋敷なども残っています。

その一角にある旧藩士根岸家の住宅は、明治24年(1891)に松江中学校の英語教師として赴任してきたラフカディオ・ハーン小泉八雲)が住んでいました。

松江城とともに松江の観光地となっています。

その武家屋敷や天守などを眺めながら、内濠と外濠を約50分の遊覧の「ぐるっと松江 堀川めぐり」を楽しむのもよいでしょう。

f:id:sekimeitiko:20200505143027j:plain

堀川めぐり by:photo-ac

▼PR 旅にいこう

  

松江城詳細

住所:島根県松江市殿町1-5

アクセス:JR山陰本線松江駅」から徒歩30分

     JR山陰本線松江駅」からレイクラインバスに乗り10分、「大手前」バス停下車

営業時間:8:30~18:30 本丸(4~9月) 8:30~17:00 本丸(10月~3月)

休業:年中無休

 

▼PR

 

 

【参考文献】

『別冊歴史読本 城の見方・歩き方―身近な城を歩くためのガイドブック』(新人物往来社 2007年6月1日5刷発行)、財団法人日本城郭協会監修『日本100名城公式ガイドブック』(学習研究社 2007年7月3日第1刷発行)、石井進監修『文化財探訪クラブ 城と城下町』(山川出版社1999年7月25日1版1刷発行)、『日本の城 名城探訪ガイド』(日本通信教育連盟)、『城 解説編』(日本通信教育連盟)他

▼PR いいお宿、ここにありますよ

 

▼PR たまには楽して