
151回目になりました!
今回は、栃木県佐野市にある関東七名城(※)のひとつに数えられる要害・唐沢山城です。
*唐沢山城とは?
唐沢山城は山城で、平安中期に平将門(たいらのまさかど)の乱を鎮圧し、「ムカデ退治」の伝説で知られる豪傑・藤原秀郷(ひでさと)が築城したという伝承があります。
室町時代には、秀郷の末裔を称する佐野氏の居城だったことは確かなようですよ。
関東平野を見下ろす唐沢山山頂に、北関東では類のない堅固な石垣が築かれた堅城です。
別称は、根小屋(ねごや)城、栃本(とちもと)城、牛ケ(うしが)城。
「続日本100名城」(第114番)に指定、国の指定史跡にもなっています。
2004年9月10日に攻城しました。
この際、攻城するために下りた佐野駅前で偶然「佐野城跡」の看板を発見して、整備された佐野城跡も探訪してきました。
※関東七名城:川越城(当ブログ第134回目)、忍城(第54回)、前橋城、金山城(第86回)、唐沢山城、宇都宮城(第128回)、多気城もしくは太田城
*唐沢山城の歴史(築城から廃城まで)

唐沢山城は、日光足尾山地が関東平野に突き出たところにある標高247mの山頂に築かれています。
特に上杉謙信は、永禄4年(1561)から天正2年(1574)にかけて、なんと合計10回も唐沢山城を攻城します。
それらの攻撃から、佐野昌綱(まさつな)・宗綱(むねつな)親子は城を死守。
しかし、天正13年(1585)、城主の佐野宗綱(むねつな)が亡くなり、北条氏に敗れ、唐沢山城はついに北条氏の城となりました。
天正18年の豊臣秀吉の小田原城攻めで、宗綱の弟房綱(天徳寺了伯 てんとくじりょうはく)は軍功をあげ、佐野領39,000石を安堵され唐沢城を取り戻せました。
房綱は、本丸周辺を石造りに大改修します。
現在残っている石垣はそのときのものだといわれています。
佐野氏は、関ヶ原の戦いでは徳川家康の東軍に属し、戦後所領を安堵されます。
戦後は佐野城を築いて移り、唐沢山城は廃城。
その後佐野氏は改易となり、佐野は天領となりました。
*唐沢山城|現存する遺構・見どころ


唐沢山の山頂に本丸を中心とした主郭部を置き、天然の地形を利用して尾根上に曲輪を連ねた連郭式の典型的な山城の縄張りでした。
周囲は断崖と谷に囲まれた天然の要害です。
本丸を囲む高さ8mを超える高石垣は圧巻ですよ。
織豊期の山城で野面積みの石垣というのは、関東地方では珍しいもの。
周囲にはいくつもの堀切や竪堀で防御力を高めていました。


四つ目堀と呼ばれる空堀です。
天徳寺丸と東主郭を分断するもので、幅は約9mもありました。
現在は土が堆積して浅くなっていますが、当時は深い空堀であったと思われます。

石垣や堀、土塁などの遺構は、山頂の本丸を中心に広範囲に残っています。
本丸跡には、藤原秀郷を祀る唐沢山神社が建立され、周囲は唐沢山公園として整備されています。

唐沢山城大炊(おおい)の井戸は、城域の西側に配されている天徳寺丸にあります。
藤原秀郷が、築城の際に厳島大明神に祈願をすると霊夢を授かり、井戸を掘りあてることができたという伝承が伝えられています。
直径8m、深さ9mの井戸で、築城当時から水が枯れたことがないそうです。
*唐沢山城の伝承


唐沢山城からは、富士、浅間、赤城、筑波の山並みがはるか遠くに見られます。
背後には日光男体山も見られますよ。
快晴の日中や夜間には、東京の新宿や池袋の超高層ビルも見えるようです。
この眺望良さにかかわる話が伝承として残っています。
慶長7年(1602)に江戸が大火事になったとき、唐沢山城から江戸の大火を見たそのときの城主・佐野信吉(のぶよし)は、早馬に乗って江戸城に火事見舞いに駆けつけました。
信吉のこの行動は忠誠心の現れで、家康から褒められることはあっても咎めだてされるものではないでしょう。
しかし、家康は信吉の忠誠心を褒めるどころか、突然の訪問に疑いを抱き「江戸城を見下ろせる場所に居城するとは無礼である」と激怒。
その場で唐沢城の廃城が命じます。
家康の逆鱗に触れた気の毒な信吉は、佐野春日山に城を移転しますが、築城途中の慶長19年大久保長安事件に連座したため改易となりました。
信濃松本に配流、佐野城も廃城となったわけですが、なんとも気の毒な話ですね。
その春日山の佐野城が、筆者が佐野駅で偶然見つけた城址でした。
文政9年(1826)に、近江堅田から入封し、現在の佐野市植下町に堀田正敦(まさあつ)が築いた佐野陣屋(佐野城)とはまったく別のものです。
堀田氏は、文政8年には城主格となっていたため、築いた陣屋を佐野城と称してはいましたが。
*唐沢山城詳細
・住所:栃木県佐野市富士町1409
・アクセス:東武佐野線・田沼駅から登山口まで徒歩40分、登山口から山頂まで徒歩30分
・営業時間:24時間
・休業日:なし
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【参考文献】
公益財団法人日本城郭協会監修『続日本100名城公式ガイドブック』(学研プラス 2018年5月7日第6刷発行)、『城 其ノ二』及び『城 解説編』(日本通信教育連盟)、小和田哲男監修『ビジュアル・ワイド 日本の城』(小学館 2005年3月20日第1版第1刷発行)他