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お城と訪問紹介も65回目になりました!
浜松城は、徳川家康が遠江(とおとうみ)進出の拠点とした要害堅固な平山城でした。
家康飛躍の城でもあり、江戸時代には「神君ゆかりの出世城」と呼ばれていました。
そのため、浜松城への入城を望む大名が引きも切らなかったといわれる譜代大名の憧れの城です。
別称は引馬(ひくま)、曳馬(ひきうま)城、そして出世城です。
「続日本100名城」(第148番)に選定されています。
私が浜松城へ登城したのは、2001年8月20日のことでした。
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浜松城は、浜松の三方原(みかたがはら)台地が南東に迫り出した末端部の丘陵に築城されており、平野部を見下ろしています。
浜松城の前身は、遠江を支配した今川貞相(さだすけ)が築城した曳馬(引馬)城(諸説あり)です。
永禄11年(1568)三河から遠江に攻め入った徳川家康は、今川方の曳馬城、掛川城などを攻め滅ぼし、遠江一国を手に入れます。
家康は領国の支配拠点として元亀元年(1570)に旧曳馬城を取り込み、西の三方原台地まで大規模に城域を拡張したうえ名を浜松城と改めました。
岡崎城を長男の信康(のぶやす)に譲り、拠点を浜松城に移した家康は、その後も浜松城の増・改築を繰り返し、天正6年(1578)頃に完成したようです。
駿府城に移る天正14年(1586)までの16年間、ここを居城としました。
浜松城時代の家康は、姉川、三方ヶ原、長篠、小牧・長久手など多くの激戦を戦い抜いて、「海道一の弓取り」・武将としての地位を築いていきます。
29歳から45歳という心身的絶頂期を浜松城で過ごしたんですね。
天正18年に、家康は関東へ移封されることになりました。
その後は豊臣秀吉恩顧の堀尾吉晴(よしはる)が12万石で浜松城へ入城しています。
堀尾氏も城を修築していますよ。
関ヶ原の戦い後は、江戸時代の近世大名として美濃金山から松平忠頼(ただより)が5万石で入城。
その後九氏の譜代大名が入れ替わり立ち代わり城主を務め、井上正直(まさなお)の代に明治維新を迎えます。
浜松城は岡崎城と並ぶ家康ゆかりの城で、浜松城に入ることが幕閣への登龍門に繋がっていました。
水野忠邦(ただくに)をはじめ浜松城主として入城した譜代大名の半数近い五氏が、老中や大坂城代、京都所司代などの幕府の要職に就いたことから「神君ゆかりの出世城」と言われるようになったのですね。
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城郭は西から東へ向かう斜面に沿って、階段状に並ぶ梯郭式の縄張りとなっています。
最も高い場所の北西部に天守曲輪、その東側に一段下がって本丸、さらに一段下がって二の丸、二の丸の南側から東側を囲んで広大な三の丸が置かれました。
浜松城は天然の要害です。
天守曲輪の南側から西側にかけては空堀を挟んで清水曲輪と西端城(にしはじょう)曲輪があり、北側には深い谷が続いています。
他にも作左(さくざ)曲輪、出丸などがあり、曳馬城跡は古城と呼ばれました。
現在は東照宮境内となっていて、碑が建てられています。
城郭は空堀で囲まれ、東斜面の下には外濠が設置されていました。
天守曲輪の付近に築城時の石垣が残っています。
大小の自然石を積み上げた野面積みの石垣が、家康の築城時を彷彿とさせてくれますよね。
隅部も完全ではありませんが、初期の算木積みの形をしています。
浜名湖周辺で取れる珪岩(けいせき)を主体とする石で、築城を急いだためか採石したそのままで荒々しく積み上げていますね。
野面積みの石垣です。
昭和33年(1958)に、市民の熱望によって三重三階独立式の天守が復興されました。
野面積みの石垣の上に建てられており、内部は郷土博物館です。
下見板張りの入母屋造りの上に二重の櫓を載せた望楼型天守で、三重目には廻縁の高欄が付けられています。
家康がいた時代には天守が存在していたようですが、江戸時代の浜松城には天守はなかったといわれています。
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明治になり、本丸をはじめ城郭の主要部分が保存整備され、浜松城公園として市民の憩いの場になっています。
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二重櫓の交番です。
一重目の下部を海鼠(なまこ)壁にし、小さな千鳥破風を置いて、二重目の窓は格子となっています。
千鳥破風の懸魚(けぎょ)は警察のマークである菊の代紋。
ここまで凝った櫓風の交番は珍しいですね。
お城にいったさいにはついでに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
そうそう、大和郡山城のある近鉄郡山駅前の交番も同じように櫓風の交番でした。
↓浜松城公園のマネジメント会社が作っている公式サイトです。訪れる前に覗いてみてくださいね。
*浜松城詳細
・アクセス:浜松駅からバスで5分(市役所前下車)
・営業時間:8:30~16:30
・休業日:12月29日~12月31日
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【参考文献】
平井 聖監修『城 4 東海 天下人への夢馳せる群雄の城』(毎日新聞社 平成8年12月25日発行)、財団法人日本城郭協会監修『続日本100名城公式ガイドブック』(学研プラス 2018年5月7日第1刷発行)、南條範夫監修『日本の城 名城探訪ガイド』(日本通信教育連盟)、『城と城下町 東の旅』(日本通信教育連盟)『城 其ノ一』及び『同 解説編』(日本通信教育連盟)、西ヶ谷恭弘編著『国別 城郭・陣屋・要害・台場事典』(東京棠出版 2002年㋆15日発行)、全国城郭管理者協議会監修『復元イラストと古地図で見る日本の名城』(碧水社 1995年4月18日発行)他
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